きっかけはとても些細な事でした。

作りたい物がうまく形にできず、どんどんとドツボにはまっていった。ただ、それだけの事。

気が付けば、全く作品を作れなくなっていました。

作りたいという気持ちと、もう作りたくないという気持ちの狭間で揺れる毎日は本当に苦しく、いっそこのまま辞めてしまおうかとも考えて断捨離を始めました。

身の回りの物をひとつ、またひとつと手放していく作業もまた、なかなか終わりの見えない苦しいものでしたが、数か月経ってふと気付くと、自分の本当に大好きな物だけが手物に残っていました。

かつてヨーロッパの古物市で買ったもの。

たくさんの布。

そして、カルトン、ボンド、筆、カルトナージュに必要な道具、カルトナージュ作品、カルトナージュの本。

カルトナージュに必要な物は何ひとつ捨てていなかった事に気が付いたとき、「やっぱり私はこれが好き」と改めて実感しました。

多くの物や情報が手元にあると、それらに埋もれて一番大切な物を見失う。

シンプルである事はとても難しいけれど、とても大切なのだと気づきました。

その気づきをそのまま形にしたのがこの「Bird cage」。

何の装飾もないこの作品。

不必要なパーツは一切なく、どれか一つでも欠けたら成立しないこの作品は、まさに私のたどり着いた答えそのものです。

シンプルである事の美しさ。

大切にしていきたいテーマです。

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